親知らずが原因で健康な歯の神経が死んでしまった事例
このレントゲン写真をご覧ください。
8と黄色く囲んでいる歯は「親しらず」です。
わかりやすく手前の7番目の歯の後ろ側の根と神経血管部分に
ラインを引いています
(本来は右の歯のように神経血管が通っているトンネルの状態ですので、黒い線となって写ります)。
「親知らず」8が6、7に対して横にむいてきています。
親知らずが押すことにより7番目の歯、6番目の歯の神経が圧迫されてお痛みがでています。
この親知らずは横に倒れていますから、自然に待っていても絶対生えてきません。
ほっといても上向きに出てこないのです。
多くの先生は「親知らずがそのうち生えてきたら抜きましょう、歯茎に隠れてるから抜くのたいへんですから、腫れますから」
よおっしゃいます。
そして親知らずを何年も放置します。
すると、こんな風になってしまうのです。
親知らずを放置したことが原因で
とうとう7番目の健康な歯の神経が切断されてしまいました。
親知らずによって、手前の歯の神経がちょんとブチ切られてしまいました。
歯の神経血管は顎の後ろから顎骨の深い部分中を通って歯の根から入っていきます。
ここをちょんと切られるわけですから、とんでもなく痛いのです。
「何とか歯を残してください、親知らずを抜きますから」
と患者さんはおっしゃいました。
しかし、すでに7の神経が切れていますから、指が切れて落ちてるわけですから、
死んだ人をよみがえらせてって言われても残念ながら手遅れなのです。
無理なのです。なので、「親知らず」は他の歯に影響が出る前に抜いたほうが良いと
私は思っています。
また、磨けない磨きにくいということも分かると思います。
磨けないということによって何が起こるんでしょうか。
8番目と7番目の歯の間に汚れが溜まっていきます。
そこが磨けないので腫れていきます。
これを智歯周囲炎と専門用語では言います。
「親知らずが腫れて痛いんです!」
と言われる方のほとんどがこれであります。
ですので親知らずを抜かないといけないという診断になるわけです。
ほとんどの方は親知らずが健康な歯に悪さをしています。