神経がない歯は折れやすい

香川県高松市の噛み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。

神経を取っている歯は非常に折れやすいということを知って頂きたいと思います。

神経を取っている歯は強度が10分の1まで落ちています。

強度が落ちている歯で今まで通り硬いものを普通に噛んでいると必ず歯は破壊されます。

歯ぎしりで歯が折れる

歯を失う原因の二大原因は虫歯と歯周病です。しかし、その次の大きな原因として抜歯にな原因は、歯の根っこが折れる「歯根破折」です。

歯を抜かない治療|歯根破折による抜歯から歯を守るなら香川県高松市の吉本歯科医院

この歯根破折は30代、40代でも起こる場合もあります。歯根破折で歯を失わないために歯根破折について知って頂きたいと思います。

就寝中の歯ぎしり・無意識の食いしばりは注意が必要

歯が折れる大きな原因として、咬みあう力があります。特に就寝中の歯軋りや無意識にやっている食いしばりなどにより女性でも100キロ、男性では200キロの力がかかっていると言われています。最初は小さなヒビであっても毎日小さな力がかかり続けることにより歯は割れてしまいます。人によっては歯科医院に定期健診に行った翌日に歯が真っ二つに割れてしまっていたという方もいらっしゃいます。

噛む力によりおこる破折は、日々の噛む力が積み重なり起こります。最初は小さなヒビや亀裂が入り、どんどん進行しある日突然まっぷたつに歯が割れます。歯も金属のように経年劣化を起こし「疲労」状態になっています。長く使い続けることによりある日突然割れるのです。雨垂れ石を穿つという言葉があるように決して強い力だけで破折が起こるのではなく弱い力であっても蓄積されてしまうと小さな力が歯に穴をあけるのです。

歯にヒビが入る原因|香川県高松市の吉本歯科医院

歯冠破折のように1回でパーンと割れるというよりは、歯の根っこに小さなヒビが入り、そのヒビがだんだん毎日の生活の中で持続的な強い力がかかることで、ヒビが徐々に広がっていって割れていきます。

私はよく患者さんに割りばしを使ってご説明をします。

これは割りばしの写真です。

歯の神経のお痛みなら香川県高松市の歯の神経治療専門歯科 吉本歯科医院

割りばしに力がかかると隙間が開きます。

歯の神経のお痛みなら香川県高松市の歯の神経治療専門歯科 吉本歯科医院

力がかからなくなるとその隙間は閉じます。
力がかかって隙間が開くと歯の場合には歯がしみます。
力がかからなくなるとその隙間が閉じてしみなくなっていきます。

割り箸を何度も何度も力を加えて、ある限界点に到達した時一気に割り箸は割れてしまいます。

われた割り箸の断面は硬いですよね。直線的ですよね。

歯も同じように割り箸を割った時のように直線的に硬い面を残しながら割れてしまうのです。

割れた部分のヒビが有る程度進んで、噛むことにより歯を押し広げるような力が働く様になると、歯の中の歯髄(神経)を刺激し痛みが出ます。このように歯が内部から割れていくため、通常の歯の割れよりも厄介ですし割れた隙間から歯の根元にばい菌が侵入するため歯茎も痛める危険性があります。

このように長い時間力がかかりすぎてしまう歯ぎしりやのことを「プラキシズム」と言います、「プラキシズム」は歯が折れてしまう大きな原因です。

ブラシキズムには3種類のタイプがあります。

歯ぎしり(グラインディング)

歯を抜かない治療|歯根破折による抜歯から歯を守るなら香川県高松市の吉本歯科医院

歯をギリギリ擦り合わせる動作です。ギリギリ音がするので、家族などに指摘されることが多いブラキシズムです。歯が擦れてしまうので、歯が異常にすり減ったり、詰め物や差し歯が取れやすくなったりしやすくなります。

食いしばり(クレンチング)

歯を抜かない治療|歯根破折による抜歯から歯を守るなら香川県高松市の吉本歯科医院


上下の歯を強く噛みしめる動作です。ギリギリと音がしないので、周囲の人にも気づかれることがありません。睡眠中、日中、いずれでも起こることがあり、強い力がかかり続けるため、歯に強いダメージがかかり、破折を起こしやすい動作です。

歯をカチカチ合わせる(タッピング)


歯をカチカチと合わせてしまう動作です。こちらも無意識にやっている人が多いと言われています。軽く合わせるだけでも、歯や顎関節などにダメージが加わることがわかっています。

歯を抜かない治療|歯根破折による抜歯から歯を守るなら香川県高松市の吉本歯科医院

神経を抜いた歯は特に歯根破折のリスクが高い

あまりご存じない方が多いのですが神経を抜いた歯(歯の根っこの治療)を受けている歯は歯根破折のリスクが非常に高いです。

実は歯の神経・血管にはたくさんの働きがあるのです。

歯を抜かない治療|歯根破折による抜歯から歯を守るなら香川県高松市の吉本歯科医院

①歯が割れるのを防いでくれる

②免疫がばい菌と戦って歯の中で膿が溜まるのを防いでくれる

③虫歯の進行を遅らせてくれる

④無理な力がかかるとしみたり痛んだりして歯に起こった変化を知らせてくれる

安易に神経を抜いてしまうと歯の強度は10分の1以下に落ちてしまい、これらの働きがすべて失われ、再治療や抜歯になると報告されています。神経を取った歯には栄養がいきわたらず枯れ木のような状態になってしまいます。歯に柔軟性が失われてしまうため強い力がかかると枯れ木がポキリと折れるように歯も折れてしまうのです。

特に歯の中に芯棒入っている場合には特に注意が必要です。1本の歯だけかみ合わせの高さが高くなり当たりが強くなり破壊されて危険性があります。

また、人によっては「硬いものをよく噛むと歯が丈夫になる」とおっしゃり、毎日のように硬いものをよく噛んで食べている方も歯が折れやすくなってしまいます。

歯の神経を取っている歯であれば特に注意が必要です。

歯を抜かない治療|歯根破折による抜歯から歯を守るなら香川県高松市の吉本歯科医院

歯根破折を防ぐためにできること

歯根破折はいつ起こるのか予測ができません。そのため日々の予防が必要です。歯根破折を防ぐためにできることをお話します。

①歯の神経を取らなくて済むよう虫歯予防を行う

②就寝中は破壊防止用のマウスピースを装着する

③無意識にしている食いしばりをコントロールする(意識して止めるようにする)

④硬いものを毎日噛まない

⑤既に歯の神経を取っている歯は、硬いものを避け、できるだけ強い力がかからないように食事をする

歯にとって一番の破壊力は夜寝ている間の噛み締め、食いしばり、です。
夜間、寝ている時というのは私たち人間は無意識にギューッっと噛み締めています。「ギューッ」という強力な噛む力が毎晩積み重なっています。就寝時に喰いしばる癖や歯軋りの癖がある場合は、朝起きると肩こりが激しかったりする場合は喰いしばっていると思われ、歯にヒビが入る原因の一つになります。

吉本歯科医院では歯の破壊を防ぐために夜間就寝時には必ずマウスピースを装着して頂いております。※吉本歯科医院の咬合を安定するマウスピースは7種類あります。

歯が割れて抜歯診断を受けた方はまずはご相談下さい。

歯を抜かない治療|歯根破折による抜歯から歯を守るなら香川県高松市の吉本歯科医院