神経がない歯の根が膿んで口臭がひどかった事例
神経を取ったはずの歯が膿んで、口から臭いにおいや味をお感じになっており受診されました。
口臭の原因は死んだ歯の神経の残骸でした。
歯の痛みを痛み止めの薬を飲んでしのいでいるうちに歯の神経が死んでしまうことがあります。歯の神経が死んでしまうとウソのように痛みが治まることがあります。あんなに痛かったのに痛みが治まったということが起こります。でも、ここで「ああ、痛くなくなったからもういいや」と思っていたら大変なことが起こります。死んでしまった歯の神経の残骸をそのままにしておくと腐敗が起こります。歯の神経が死んでしまったとしてもばい菌に殺された神経の死骸を除去してやらないとバイ菌はずっと生きているんです。歯の神経を殺しただけなく今度は骨や歯茎さえも侵食していくのです。バイ菌の住処である歯の根っこ(根管)の中を早く掃除してあげないとどんどんどんどんバイ菌は奥へ奥へと入っていきます。ばい菌に侵され死んでしまった歯の神経は生ゴミが腐敗している状態と同じです。腐敗しているのでにおうと臭いです。
歯の神経を取る治療というのは読んで字のごとく歯の神経を取る治療だと思われている方が多いのです。しかし実はそうではないのです。すでに死んでしまった歯の神経の死骸をきちんと除去し歯の根管の中をきれいに消毒するということを意味するのです。