保険治療の考え方は「悪い部分は削らなくてはいけない」
皆さんは今まで歯が痛くなった時、歯医者さんでどのような治療を受けてこられましたか?
日本人の多くの方が受けられた治療は
「虫歯になっている悪い部分はごっそり削り取ってしまう」
という一般的な治療だと思います。
通常、歯科の治療をどのように大学で教わっているかというと、
黒く歯が変色している部分、いわゆる目で見てわかる虫歯というもの。
虫歯菌というのは顕微鏡で見ないと見えないサイズですので、目で見て虫歯の部分を確認するということは出来ません。
ですので「う蝕検知液」というお薬があります。
「う蝕検知液」を虫歯であろう個所に色を付けるわけです。
そうすると虫歯菌が多く残っている部分が赤く色が染まります。
赤く染まった部分には虫歯菌が残っているということを意味しますので、
赤くそまった部分を削って除けるという処置をいたします。
悪いところは、すべて削って取り除く、という発想です。
現在の日本の保険制度では
「虫歯部分はすべて削り取ってから被せ物や詰め物をしなくてはいけない」
という大きな考え方があります。
ですから、保険治療で虫歯治療を受ける場合には「悪い部分は大きく削って詰める」という治療になるわけです。
削らず薬で治して欲しいというのは
保険制度では認められていませんので
吉本歯科医院の薬を使って特殊接着封鎖技術での治療は自由診療での治療となります。
しかし
虫歯部分は大きく削って詰めるもの、
という常識が当たり前になっていると
それが「普通」と思ってしまいます。
一般的な虫歯治療の流れをお話しますね。
一般的な虫歯治療では
虫歯部分は大きく削り取ります。
虫歯を大きく削り取った部分の型を取り、
被せ物でふたをします。
フタをする時には歯の周囲の
唾液だけを風で乾かします。
唾液がついたままだと
セメントがくっつかないから、です。
だから、唾液だけはシャーッと乾かすのです。
ある程度歯の周囲が乾いたら
被せ物に接着材をつけて歯にペタンと乗せます。
ここで使う接着材は接着力も弱く
封鎖性のない接着材を使います。
この写真は従来型の虫歯治療を行い、
数年後に被せ物が取れたた時のものです。
詰め物のさかいめから
内部に黒く虫歯が進行していっています。
被せ物の内部は黒く腐蝕しています。
皆様に知って頂きたいことは
お口の中にはものすごい数のばい菌がいる
という事実です。
虫歯を削り取った後も当然、
ばい菌はお口の中に残ったままです。
それで治ったのか?
といえば実はそうではなく
何年かすると再発するのは当たり前
というのが現状です。
さらには虫歯部分を大きく削り取ることにより
当然、歯の神経に近くまで削られていきます。
歯の神経近くまで削られると、
痛みが出始めます。
歯がどんどん痛くなり歯医者さんに行くと、
「そこまで痛いならもうこの歯の神経を抜くしかありません」
という治療法しか選択できなくなっていくのです。
いわゆる
歯の神経を取る治療(抜髄)
です。
私たちは、それがあたりまえ、
それが常識と思っていると「なんだかおかしいな?」
と疑問に思ってもそこから深く考えようとはしないものです。
どこの歯医者さんでも「削って詰める治療」が当たり前なので、
それは常識なんだろうと疑問に感じなくなっていくのです。
そして私たち日本人はどんどん歯を失っていきます。
現在の日本の歯科医院で行われている歯科治療の8割は
過去で治療した部分の再治療です。
つまり再発です。
しかも3年後、5年後、10年後に再発した時には
状態はもっと悪くなっています。
口の中のばい菌は風で乾かすくらいでは
なくなりません。
もちろん風でシャーッと乾かすくらいで
ばい菌が死滅するなんてありえません。
般的な虫歯治療ではばい菌が
お口の中にたっぷり残ったまま除菌もせず被せ物でふたをし、
さらに歯の被せ物を十分に表面処理することなく
乾燥させることなくそのまま接着剤でくっつけて終わります。
昔詰めていた歯の詰め物の内部で虫歯が大きくなり
外してさらに大きく削り処置をしたという経験はありませんか?
これではどんなに封鎖性の良い接着材を用いても
自由診療の高額な被せ物をしても
再発を起こすのは当然です。
ばい菌を残し被せ物でふたをするため被せ物の中でばい菌が繁殖していくのです。
虫歯治療をしても菌を残したまま被せ物でふたをしくっつけているので
数年ももたず同じところが虫歯になる魔の連鎖です。