ドックベストセメントと何が違うのですか。当院の「削らず薬で治す」治療との違いは、痛みが落ち着くまでの時間にあります
こんにちは。香川県高松市で歯の神経治療(根管治療)と咬み合わせを専門とする「吉本歯科医院」院長の吉本彰夫です。
「ドックベストセメントはやっていますか」
「削らない治療なら何でも同じだと思っていました」
「痛みを我慢しながら1年待つのは、正直つらいです」
「ドックベストセメント」に関するお問い合わせを、当院では大変多くいただきます。そして、そのほとんどの方が「削らない治療なら、どれも同じようなもの」とお考えです。しかし、当院で行っている削らず薬で治すむし歯治療とドックベストセメントは、考え方も、痛みが落ち着くまでの時間も異なります。
今回は、よくいただくこのご質問にお答えする形で、両者の違い、なぜ「痛みが落ち着くまでの時間」が大切なのか、そして治療法を選ぶ前に確かめていただきたいことをご説明します。
結論:はい、違います
「歯を削らないドックベストセメントとは違うのですか」というご質問への答えは、「はい、違います」です。
はじめにお伝えしておきたいのは、私はドックベストセメントの考え方そのものを否定していない、ということです。不必要に歯を削りすぎない、安易に削る治療をしない。この姿勢は素晴らしいものだと思っています。歯を大きく削り、神経を取ることが当たり前だった時代に比べれば、削らない方向を目指す治療が広まったこと自体は、患者様にとってよいことです。
そのうえで、両者には見過ごせない違いがあります。
違いは「痛みが落ち着くまでの時間」です
お調べになれば分かることですが、ドックベストセメントによる治療は、治癒までにおよそ1年ほどかかるとされています。銅などの成分を含むセメントでむし歯をふさぎ、時間をかけてむし歯の菌の働きを抑え、歯の内側からの回復を待つ、という考え方だからです。
治癒に1年ほどかかるということは、その間、痛みが続く可能性があるということでもあります。
歯は、菌がいるから痛みます
ここで、歯の痛みの仕組みを確認しておきます。歯は、そこに細菌が存在するから痛みを感じます。菌を死滅させれば、痛みは落ち着いていきます。逆に言えば、菌が生きて活動している間は、痛みが続きやすいのです。
時間をかけて菌の働きを抑える方法は、その「時間」のあいだ、菌と痛みを抱えたまま過ごすことを意味します。
当院の治療は、菌を死滅させることを先に行います
当院で行っている削らず薬で治すむし歯治療は、薬によって菌を死滅させることを目的にしています。数回、早い方では1回の処置で菌を死滅させることを目指すため、痛みが早い段階で落ち着く方が多くいらっしゃいます。
そして、菌を減らしたあとに、歯の内部を特殊な接着によってすき間なく封鎖します。菌が再び入り込む道を断つことで、治療の効果を保つ考え方です。時間をかけて待つのではなく、原因である菌を先に減らし、閉じる。ここが、いちばんの違いです。
どちらも「削る量を抑える」点は同じです
誤解のないようにお伝えしておきますと、当院の治療も、まったく削らないわけではありません。わずかな噛む力で折れたり割れたりする危険がある部分は先に削って整えますし、完全な封鎖のために、むし歯の周囲一層はうすく削ります。ただし、歯の神経に近い部分は削りません。
神経に近い部分を削らない理由は、神経を取った歯が枯れ木のような状態になり、強度が生きている歯の約10分の1程度まで落ちてしまうからです。削る量を抑えることは、神経を残すこと、そして歯の寿命を守ることにつながります。この考え方は、ドックベストセメントを選ばれる方の思いと同じ方向を向いています。
どの治療を選ぶかは、患者様ご自身のご判断です
ここまでお読みいただいて、「では、どちらを選べばよいのか」と思われるかもしれません。どの治療を選択されるかは、患者様ご自身のご判断です。時間をかけてでも特定の方法を選びたい、という考えを否定するつもりはありません。
ただ、治療法を選ぶ前に、確かめていただきたいことがあります。それは、今のその歯が、どちらの治療の適応になる状態なのか、ということです。
むし歯と神経の距離を、マイクロスコープで確かめます
肉眼では神経まで達しているように見えても、マイクロスコープ(手術用顕微鏡)で拡大すると、神経との間に健康な歯質が残っていることがあります。逆に、すでに神経を通り越して菌が根の先まで進んでいれば、削らずに薬で治す治療の適応ではないこともあります。
根と骨の状態を、CTで確かめます
根の先の骨に炎症が及んでいないか、歯科用CTで立体的に確認します。この結果によって、選べる治療法そのものが変わります。
その歯にかかる力を、咬み合わせの検査で確かめます
むし歯を治しても、その歯に力が集中していれば、折れたり、また悪くなったりします。奥歯には100〜200キロほどの力がかかると報告されています。どの治療法を選ぶにしても、力の問題を先に把握しておく必要があります。
「どの治療法か」を決めるのは、こうした検査で歯の状態が分かってからで遅くありません。治療法の名前から入るのではなく、まず今の状態を知ること。それが、結果的に遠回りしないいちばんの近道だと考えています。
こんな方は一度ご相談ください
- ドックベストセメントなど、削らない治療を探している
- むし歯が深いと言われ、神経を取ることを勧められた
- 痛みを抱えたまま、長い時間待つのはつらいと感じている
- できるだけ削らず、神経も残したいと考えている
- 削らない治療を受けたが、痛みが続いている
- 自分の歯が、どの治療の適応になるのか分からない
- 食いしばりや歯ぎしりを指摘されたことがある
ひとつでも当てはまる場合、大切なのは「どの治療法か」を先に決めることではなく、今の歯の状態がどうなっているかを確かめることです。
この記事のまとめ
✅ 当院の削らず薬で治すむし歯治療と、ドックベストセメントは異なる治療です
✅ 不必要に歯を削らないという考え方は共通しており、その姿勢自体は素晴らしいものです
✅ ドックベストセメントは治癒に1年ほどかかるとされ、その間は痛みが続く可能性があります
✅ 歯は菌がいるから痛むため、当院では薬で菌を死滅させることを先に行い、特殊な接着で封鎖します
✅ どの治療を選ぶかはご本人の判断ですが、その前にマイクロスコープ・CT・咬み合わせの検査で適応を確かめることが大切です
よくあるご質問
Q1. ドックベストセメントは、よくない治療なのですか?
A. そうは考えていません。不必要に削らないという考え方は素晴らしいものです。違いは、菌の働きを時間をかけて抑えるのか、先に菌を死滅させるのか、という点にあります。どちらが合うかは歯の状態によりますので、まず検査で状態を確かめることをおすすめします。
Q2. 当院の治療なら、1回で必ず痛みがなくなりますか?
A. 早い方では1回の処置で痛みが落ち着くこともありますが、必ずとお約束することはできません。菌の広がり方や根の状態によって、必要な回数は変わります。検査の結果をお見せしたうえで、見通しをご説明しています。
Q3. 痛みを我慢して待てば、削らずに治るのなら、それでもよいのでは?
A. その選択もご本人のご判断です。ただ、菌が活動している間は痛みが続きやすく、むし歯が神経に近づけば選べる方法が減っていきます。待つにしても、今の歯の状態を検査で確かめ、待てる状態なのかを知ったうえで決めることをおすすめします。
Q4. すでに他の削らない治療を受けましたが、痛みが続いています。
A. 痛みが続いているということは、菌がまだ活動している可能性があります。まず、マイクロスコープとCTで、むし歯がどこまで進んでいるか、神経や根の状態はどうかを確かめます。そのうえで、今の歯に合った方法をご説明します。
Q5. 相談だけでも受け付けてもらえますか?
A. はい、ご相談だけでも結構です。当院では、初診でいきなり治療を始めることはありません。検査で現状を確認し、選べる方法をご説明したうえで、どうするかはご本人に決めていただいています。
削らない治療を探している方へ
「ドックベストセメントと何が違うのか、きちんと知りたい」
「削らず、神経も残したいが、自分の歯に合う方法が分からない」
香川県高松市をはじめ、四国各地から歯を削らないむし歯治療のお悩みを抱えた多くの患者様が、当院にご相談にいらっしゃいます。
吉本歯科医院では、今痛んでいる歯だけを処置して終わりにするのではなく、「なぜ痛むのか」「なぜその歯がこうなったのか」「これから先、噛む力をどう配分すれば残りの歯を守れるのか」という根本から診断を行います。歯科用CTで歯の根と周囲の骨の状態を立体的に確認し、マイクロスコープ(手術用顕微鏡)で肉眼では見えない歯の内部を確かめ、咬み合わせの専門医として力のかかり方を評価したうえで、現状で何が起きているのかを分かりやすくご説明し、選べる方法をご提示します。
治療法の名前から選ぶのではなく、まず今の歯の状態を知ることから始めましょう。どうぞお一人で悩まずに、まずは無料メール相談またはネット予約からお気軽にご相談ください。
診療時間は9:15〜13:00/14:00〜18:00、休診日は水曜日・日曜日・祝日です。ご予約のお電話は087-818-1118までお願いいたします(お電話でのご相談は承っておりません。ご相談は無料メール相談をご利用ください)。
院長プロフィール
吉本歯科医院 院長 吉本彰夫
九州大学歯学部卒業 歯学博士
(一社)日本歯科専門医機構認定 補綴歯科専門医
(公社)日本補綴歯科学会認定 補綴歯科指導医
日本接着歯学会認定 接着歯科治療専門医
咬み合わせと歯の神経治療(根管治療)を専門分野として、日々の診療にあたっております。

