歯の神経は安易に取ってはいけない

歯の神経を取ったらどうなるか？ということをほとんどの方がご存じありません。

歯が痛くて歯医者さんに行ったら何も言われず歯の神経を取る治療が終わっていたという体験をされた方は多いのではないでしょうか？

歯の神経を取るとその歯は栄養が届かない「死んだ歯」になります。

歯の神経を抜いてしまった歯はいわば枯れ木と同じ状態です。

枯れ木には栄養が届きません。

栄養が巡らないのでほんのわずかな衝撃で枯れ木は簡単に折れてしまいます。

歯の神経を取った歯の強度は１０分の１まで一気に落ちます。

歯の神経を安易に取ってはいけません。

「歯の神経を取ることのデメリット」をお話します。

まず歯の構造です。

歯の表面は非常に硬いです。

しかし歯の中はトンネルみたいになっているんです。

そのトンネルの中には歯の神経や血管が通っています。

つまり「歯の神経を取る」ということは、「その中にある血管も一緒に取って除ける」そういうことを意味します。

まず歯の神経を取りますと、痛みを感じなくなります。

「痛いから歯の神経を取る」ということは、一見メリットのようにも感じます。

しかし「ご自分の歯がしみる・ご自分の歯が痛い」

という感覚は自分の体が自分自身に警告を与えてくれている自覚症状なわけです。

これ以上歯を放っておかないでほしい。
これ以上歯に無理なことをしないでほしい。

そういう警告を体が脳に教えてくれているわけです。

もし神経を取ってしまうと「歯がしみる・痛む」そのような警告を感じることができずに無視してしまいますからわかりません。

痛いとか

しみるとか

そういった感覚がないわけですから、手遅れになってしまうことがあります。

手遅れになって、残念ながら力に耐えきれずに歯が割れてしまうわけです。

そして、歯の周りの支えている骨、この周囲の骨まで溶けてしまうのです。

この状態で「何とか歯を残したいんですけど」と言われても残念ながらもう手遅れなんです。

診断は「歯を抜かないといけません」ということになってしまうんです。

このように歯の神経を取ってしまうと、手が打てなくなるんです。

そのような早期に状態を把握し、悪くならないように手を打つ。

ということができなくなるんですね。

ですので無理な力が加わると痛んだりしみたりするかもしれませんが「悪くならないように早めに治療ができる」「気づくことができる」これが一番歯の神経を残すメリットです。

次によく言われるのが歯の色です。

生きてる木の枝

死んでしまった折れて乾燥した木の枝

イメージしてみてください。

木の皮はどうでしょうか？簡単にはがれてしまいますよね。
真っ黒になっていますよね。

そのように神経を取った歯も色が変わっていきます。歯もいっしょです。

歯の神経を取った歯は徐々に黒く変色してきます。

また、歯の強度ですが

木の細い枝は、曲げてもたわみます。

折れてしまった枝はちょっと曲げただけで、ある程度太い枝であってもポキンて折れてしまいます。

歯も同じように、生きている時であれば何の問題もないぐらいの力であっても、

死んでしまった歯の場合には歯が折れてしまいます。

わずか十分の一ぐらいしか耐えられない、そんな強度の耐久性のものになってしまうんですね。

奥歯は男性では200キロ、女性でも100キロほどの強い力がかかると報告されています。

そういう噛む力、食いしばる力に耐えられなくなってしまうわけです。

歯がしみるのをなくして欲しいと歯医者さんに行ったら「歯のしみるのをなくすには歯の神経を取るしかありません」と言われるのは

一般的な歯科医院では「普通のこと」です。

歯の神経を抜いてしまってからでは

手遅れです。